――学校の教室・休み時間
みんな「ウソだー!」
たけし「ホントだって!」
えみ 「えー、でもたけしくん、前もウソついたし。ね、ゆか」
ゆか 「うん。おっきな犬にかまれそうになったっていったのに、ちわわだったもんね」
たけし「うるせー。こんどはホントだっていったらホントなんだよ。ゆうきはしんじるよな」
ゆうき「え・・ぼくは・・その」
たけし「なんだよ、しんじないのかよ」
ゆうき「僕はたけくんのこと、しんじたいけど・・でもそれはしんじられないっていうか」
たけし「えー。そうかよ。おまえまでおれをウソつきよばわりするのか」
ゆうき「ご、ごめん」
えみ 「ゆうきくんがあやまることないよ。悪いのはたけしくんだもん」
たけし「なにー」
えみ 「だってそうでしょ。オバケがみえるなんてウソをつくんだもん」
たけし「ウソじゃねー」
えみ 「えー、ぜんぜん信じられないよ」
ゆか 「ねー」
たけし「じょうとうだ。じゃ、おれがウソついてないってしょうめいしたらどうする」
えみ 「え、それは・・どうする?」
ゆか 「うん、なんでもいいんじゃない。だってウソだもん」
えみ 「そうだね。・・いいよ、そのときはなんでもしてあげる」
たけし「おし、やくそくだからな。あとであやまってもゆるしてやんねー」
ゆか 「いいよー」
えみ 「うん」
たけし「おーし。じゃ、しょうめいしてやる」
ゆうき「たけくん」
たけし「なんだよ、いま、いいとこなんだぞ」
ゆうき「ごめん。でも、どうやってしょうめいするの」
たけし「そんなのかんたんだよ。そこらへんにいるオバケとはなしてみせればいいんだろ」
ゆうき「うん。でも、それは・・ぼくたちにはみえないんでしょ」
たけし「え・・あ!」
えみ 「そうだよ。なんにもいないところではなしたふりしてもだめだからね」
たけし「そんなことしねーよ。くそ、どうすれば・・かんがえろ、ゆうき」
ゆうき「ええー、ぼくぅ!?」
2020年05月02日 18:31